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「早く治らないので他の診療所に受診した」など、自分の都合で不適切な受診のしかたをしている人はいませんか? こんなかかり方をしていると、あなたが支払う医療費が割高になるだけでなく、救急患者の治療に支障をきたす恐れもあります。医療機関にかかるときは、正しいマナーとルールを身につけておくことが大切です。 

はしご受診をくり返すと初診料などの支払いもくり返すことに

「早く治らないので他の病院にかえてみようか」「口コミであっちの病院の評判がよいのでかえてみようか」などの理由で、あっちの病院、こっちの病院と同じ病気で何軒もの医療機関を渡り歩いている人はいませんか。このような「はしご受診」をしていると、医師と患者の信頼関係は生まれませんし、同じような検査や投薬がくり返されるので、体に悪影響を与えることにもなりかねません。そして医療費も2倍、3倍と膨れ上がってしまいます。

はしご受診をくり返すと、医療費が膨れ上がる?

同じ医療機関で3回受診した場合の医療費と、はしご受診で3回受診した場合の医療費を比べてみると、右表のように2倍以上かかることになります。

医師とのコミュニケーションがとれていますか

医師の診断や治療方針に不安があるときは、医療機関をかえる前に、まずは納得がいくまで医師と十分話しあってみてはいかがでしょうか。治療には、患者と医師のコミュニケーションが不可欠なのです。そして、日ごろから信頼できるかかりつけ医を持っておくことも大切です。

最善の治療法を判断するためにセカンドオピニオンを利用

たとえば、がんなどの重篤な疾患にかかったとき、主治医の治療方針以外に治療の選択肢があるか知りたいときは、「セカンドオピニオン」が利用できます。セカンドオピニオンとは、最善と考えられる治療を患者と主治医で判断するため、主治医以外の医師や専門家の意見を求めることです。

患者にとってのメリット
主治医の方針に納得できれば、現状の治療に安心して取り組める。
別のよりよいと思われる治療を選択する機会が得られる。
誤診が発見されることもある。
病気や治療法に患者の理解が深まれば、医師と良好な信頼関係が築ける。
医師にとってのメリット
なにかを見落としたりするようなリスクを減らせる。
よりよい治療方針を立てることに役立つ。
セカンドオピニオンの求め方
1. 主治医に「セカンドオピニオンをとりたい」と申し出る。
2. 主治医に紹介状、検査データなどを提供してもらう。
3. 紹介先の医師に「セカンドオピニオンのための受診」とはっきり伝える。
2は提供費用(健康保険適用)がかかり、3は受診費用(全額自己負担となることも)がかかります。